few matters

些細なる半分

希望の細い糸が

ようやく「その目には」という曲ができた。個人的には満足しているのだけど、聴いてもらうよう人に勧めることを考えると、若干、うーん、となる。

音無 空 · その目には

自分の制作スタイルとして、メロディとコードとリズムからなる簡単なデモを作ってから、詞やアレンジを考える。メロディなのか、コード進行なのか、構成なのか、何なのかは分からないけども、デモの段階でパッとしない印象を薄々抱いていると、完成したものもパッとしない域を出ない気がする。逆に、デモの段階でいいなあ、っていうのはより良くなったりする。あと、これしかない、とタイトルも自然と決まる。原因としては、素材がよいからなのと、自分の気持ちが乗るからなのと、ふたつがあると思う。こういうことを考えるのは自分の子どもに優劣をつけるようで、あんまり好きではないが書いておく。

最近、SNSで多くの人と触れている。考えてみればあたり前だが、技術の人はエレクトロ系の音楽を作っている人が多く、言葉の強い音楽を作っている人は見ない。自分と波長が合っていないなりに、確実に影響されていて、SNS向けに作ったものをアレンジとして取り込んだりもしてみた。その状況は歌詞の内容

目と目を合わせば手札が増える
瞬きの間に世界は廻る

と響いていて気に入っている。一方、自分が誰かに影響を与えている感じはない。自分が実感できるほどの力を有するのは遥か先に感じるが、小さい波を送り続けていきたい。

記憶の限り、高校生くらいから実現可能性の低い希望の細い糸みたいなものを信じている所がある。そういう希望に心をゆだねることで、やるべきことをやれてきた。昔よりも分別がついて糸が明瞭に見えてるようになってしまったのか、心の持ちようが難しくなっている。小さい頃はそんなこと考えもしなかったなあ。とりあえず、で、触れ、熱を注げていた。