few matters

些細なる半分

同じように見えるのに

同じように見えるのに、違う生き物。「寄生獣」は極端だけれど、構造としては一緒。何種類かの生き物が集まって志を共にしたり組織や社会を作ったりってんだから、そりゃあうまくいかないのが普通のこと。そのことを心で認識できない生き物も存在する。そういう生き物は上に立ってほしくないものだ。“霊長類の長”たるにはいくつか資質があるのだろう。

計画した勾配の強要としての「お出まし」と、短絡した状況の適用としての「お出まし」。行動の見た目としてはそう変わらない。見た目が同じという性質は、逆手に取っていくことができるかもしれない。そうやって、巧みに組織へ心へ浸透していくにはまだまだ修行が必要そうだ。困難な道だがやっていきましょう。

それでも、すべては移ろいゆくものであり、本当に長い目で見ると現在というのは何の意味もない、という指摘は確かに事実だろう。こういった教えを少し引いて眺めると、いい大人の心を守ってあげようという慈悲が幼稚というか可愛らしく思える。そういった諦念を宿すだけでは半分であり、取り上げられた執念を奪取し、諦念と執念を反復して生きる、という態度でいるのが“いい大人”なのではないか。そしてその態度こそ「空即是色 色即是空」「中道」だと考えている。